「ポモドーロ・テクニック」
ポモドーロとはイタリア語で「トマト」のことです。より詳細については割愛させていただきます。このテクニックは一言でいえば「タイマーを利用した時間の管理術」です。方法は(目安として)25分の作業時間に対し5分の休憩時間で1セットとし、数セット繰り返した後に長めの休憩をとる、というものです。作業時間の終了タイマーの音が鳴るまでは集中して作業します。ゴールが見えないような作業には不向きといわれています。
ところで、こちらではレッスン中に砂時計を使うことがまれにあります。1分3分5分と砂の色が異なる砂時計でして5分はあまり使いません。部分的に反復練習が必要な場合、指の動きが視覚から得た情報である楽譜に書かれている音と無意識に反応できるようになるまで練習をします。1~3分です。ほんの部分的なので少し気をつける点に意識を向けて弾いていれば、わりと十分だったりします。とてもよく弾けた場合、私は言います。「どう?歯磨きの時間より短くない?」と。。
つっかえる箇所を部分的に取り出して一つ一つやっつけていく、このような数カ所の部分練習には「ポモドーロ・テクニック」という言葉を思い出したり実践してほしい、と思います。導入や初級の子供のテキストの場合、音もリズムもシンプルで小節数も少ないので、25分などと設定せずにまずは「5分」くらいからでもいいので設定してみるとよいと思うのです。たとえば、生活の中にピアノの練習時間を取り入れる時、「練習しなきゃ・・・」とただ漠然と思うのではなく、とりあえず楽譜を開いて、課題の曲を「5分」2冊あるなら2分と3分、ある日は時間の長さを入れ替えて・・など工夫してほしいと思います。
このような物事の取り組みへの習慣を小さい頃から身につけていくとピアノ以外の事柄にも活用することが自然にできてくるのです。練習はレッスンで先生のために弾くのではなく、自分自身のために弾くのです。ぜひご家庭でもピアノの時間を上手に取り入れてほしいと願ってやみません。
ちなみに個人的にはすでに実証済みです。やりたい事があるのにやらなくてはいけない、という事もある時、やらなくてはいけない事にキッチンタイマーを20分目標にセットしたりしてとっとと終えてしまおう、という算段です。いくつかそれぞれの作業につき時間をセットして動きます。時間内にやり終えた時の達成感や充実感で、思わず顔がニンマリとほころび、脳内に幸せホルモンと快楽物質が出ているのを感じます。