2023 謹賀新年

新しい年が始まりました。

今年の抱負は・・まだ未定でございますので昨年の振り返りからの書き始めをご容赦くださいませ。昨年はコロナ禍の影響も徐々に薄れ、音楽会にも足を運べるようになりましたことは嬉しかったです。男女含め何人かのピアニストの演奏を聴きに行くことができました。やはり生の演奏は色々な意味で勉強になるな、と思いました。いつもはピアノ演奏会が中心ですが頂き物のチケットのオペラにも行きました。オーケストラピットの生演奏に舞台で繰り広げられるドラマ・・久々に行ったオペラは舞台装置などは最小限で映像を上手く駆使していて面白かったです。改めて、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

秋には発表会もあり無事に終わりました。改めて人間の「可能性」というものは無限大であり「今」に焦点を当てて可能性をしぼめてしまったりしてはいけないなと感動と再認識をしました。逆に手の内に入りやすい楽曲で「ノリ」や「自分の奏でる音楽から自分の世界を表現する」ことに視点を変えてみたりもしました。一人一人の演奏中に撮影された写真を見ると改めてそれぞれの個性が横顔や雰囲気に表れていました。目の前にはピアノだけですから改めて考えると不思議な感じがしました。目の前には目には決して見ることのできない一人一人の世界が繰り広げられているのに、単なる瞬間を収めた写真ですが、彼らの成長過程としての体験として無意識のように刻みこまれていくのです。その達成感なども含めたこれら体験の積み重ねが継続され自分軸や自信につながっていくのだと思います。

心が躍るようなニュースがかすんでいるような昨今の社会情勢ではありますし、保育現場での悲しい実態のニュースの数々も・・・、また、悲しいかな、ムダを省き効率性ばかりを求めるように変化していく社会になってきているように感じます。日本では特に「音楽」含め「文化」はおざなりにされがちに思います。しかし「音楽」は人の存在と共にあり共に発展してきました。(今の日本の学校の音楽教育は明治時代からですが)一見、ムダに思える事物の中に「美」や「思わぬ発見」があったりするものだと思っています。一定の社会の仕組みの中で生活していく上で時代の変遷に従わざるを得ないことはあっても他を「ムダ」と切り捨ててしまうことは思考停止に近いことだとも思います。

「個の時代」「風の時代」などと言われたりしますがどんな時代でも「自立した個」を確立していなければこれからの時代は生き抜いていけないような気もします。きちんと学習をこなし様々な知識と思考力を得るのは当然のこととし、ピアノからは集中力や達成感、記憶力、感性、感覚器官の鋭敏性強化、作曲家や作品から外国の歴史や文化を知ることもでき、想像力を養うことにもつながります。想像から創造が生まれるのです。拍子からは小学校中学年までの算数にもつながります。注意深く自身の音を聴くことは英語耳を養うことにもつながります。音楽形式は起承転結、段落・フレーズは句読点・・譜面から何をどのように読み取るのか考えることは、物事の理解力を深めることにもつながります。国語の音読が音になったようなものとしても捉えることができます。昨今は国語力が足りないために算数の問題も解けないという声が教育現場にあるそうです。「音」は物理学としても、聴覚、脳、運動器官・・生理学や脳科学・・さまざまな分野においても「音楽」は切り離せない分野であり学問です。単なる習い事としてのピアノでも真摯な気持ちで取り組めば、そこには多くの可能性と世界が広がっているのです。柔軟で可能性に満ちている自分の子供を所有物のように扱ったり、大人の枠に押し込めてしまうことをしてしまわないようにする必要があると思っています。だからといって迎合することとは違います。子供がいれば誰でも親になりますが一人の人間として、親としての役割やあり方や接し方を考えることもまた重要だな、と思います。一方、指導する側にも同じことが言えると思っています。新年早々失礼しました。少々熱く語りすぎました。。。

コロナ禍により生活を変化させることになった私の個人的見解では音楽を奏でることは非日常的な頭の使い方をしています。練習を始めてしばらくしていると明らかに脳内に分泌される物質が変わってくると思う経験をしました。以前は当たり前だったはずの脳内環境だと思いますが思わぬ発見です。数値化や可視化していなくても「自分」が変わることでわかります。元気にもなります。自ら音楽療法的な試みによりこのような単純な結論づけに達しました。自分にとって音楽を奏でることは心身の栄養剤にもなるのだと改めて思いました。

新年早々、驚きと喜びのニュースも知りました。ピアニストの反田恭平さんと小林愛美さんのご結婚です。特に小林愛美さんに関しましては彼女の9才ごろからの活躍ぶりなど知っていました。新しいご家族との新たな未来と音楽家としてのご活躍が楽しみです。

2023年、今年一年が素晴らしい年になりますことを、心よりお祈りしています。。。

新年のあいさつなのに長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。

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