音楽環境
数年前まではCMでよくピアノクラシックの名曲が流れていました。近年は著作権などの問題かTVから自然にクラシック音楽を耳にすることがなくなったように感じます。とても残念で悲しいことのように思います。「あっ、この曲ステキ!なんていう曲だろう?私も弾けるようになりたい」などと自分の子供時分はTVから流れる曲にこのように思ったことが何度かあります。今はそのような環境はなく、生活の中にクラシックの音楽の環境は自分の弾くピアノだけ、という状況の人もいるのではないかしら?と思います。
小さい子供のころは与えられた曲をこなして親に先生に褒められ励まされ、時には叱られる人もいるかもしれませんが(^^A;)それでも純粋に目の前のやるべき課題に取り組めてきたはずです。成長とともに状況は刻々と変わり、自分の意思も判断力もついてきます。巷にはクラシックではない様々な音楽が流れています。ピアノレッスンで扱う曲は数百年前のものばかりです。自分の弾いている曲に違和感のような異質なものを感じてしまう人も中にはいるかもしれないな、と感じたりします。時々、保護者の方が「わたしは音楽のことが全くわからないので、どうしたらいいですか?」と仰る方がいらっしゃいます。わたしは、お子さんのピアノに対してなら「褒めて差し上げたらよいと思います。」と言います。でももっと良いのは1週間に1度でもいいので「クラシックのピアノ曲を流す時間」を設けたらいいと思います。本が読めるなら図書館で有名な作曲家の本を読んでみる、などするとよいと思うのです。生活の中にグンと身近に感じるはずです。親御さんがそうした時間をつくる環境づくりは、お子さんにとって大人になってもいくつになっても忘れない有意義な時間となることだとも思います。また、自分の取り組んでいる「音楽」にご家族が興味関心をもってくれることは大きな励ましとなり、やる気も違うように思います。日々の生活で時間に追われ忙しくしていると、「音楽を5分聴く時間をもつ」心のゆとりすら失われがちですが、わざわざCDを買いに行かなくても、いくらでも音楽を聴くことができる現代です。クラシックのピアノ音楽を身近に感じることができると思います。
クラシック音楽といっても、作られた当時は流行や斬新な曲でした。絵画や建築、時には政治的な・・さまざまな文化や歴史的背景とともに音楽も成長発展してきました。現代普通に世間で耳にする音楽も元をたどれば西洋の音楽です。日本のPOPSにも流行があります。「ピアノ」はただ歌がなくピアノで自分で歌わせて伴奏を付けているだけなので、本来身構えたりする必要もないように思えるのです。生活の中に情報となる時間や方法を取り入れたり、アンテナは張ったりすると視野が広がるし楽しいのではないかな、などと思います。